How to canoe for beginners Vol.11
Chapter 6 カヌーツーリング・テクニック #3
僕の楽しみ方
ホワイトウォーター?面白いらしいけど、2級の瀬でも僕のテクニックじゃ漕ぎ下るのがやっと。楽しむなんてどだい無理なのでもう少し上手くなったら挑戦してみます。
パドリング
カヌーを始めたらやっぱりコレがうまくなりたいって思いますよね。カヌーって安定性と引き換えに自由な操作性を手に入れたフネだってことは前にもお話ししましたけど、ほんと星の数ほど漕ぎ方があるんですよ。またそのそれぞれが目的を持ってて「なるほど!」って感心してしまいます。最初はまっすぐ進むことさえおぼつかないけど、慣れれば頭で考える前に手(=手の延長であるパドル)が出るようになります。難しいストロークが出来るようになった時も嬉しいけど、実際のツーリングのなかで自然に使える様になった時はまた格別ですね。
インストラクターの人に教えてもらったり、本やビデオで研究したり、いろいろな上達法があるみたいですが、毎日池や湖で1〜2時間でも練習すればあっという間に覚えられるはずです。スキーやヨットなんかよりずっと直感的な動作ですから。
1〜2級の瀬
バードウォッチング
昔からよくキャンプに行きましたけど、これまであんまり鳥や生き物に興味がなかったんです。焚き火してて振り返ったら野うさぎがこちらを見てた、なんてこともあったけど「おいしそう!」って感じてたぐらい(笑)
ところがカヌー始めると、生き物がスゴク無防備な姿を見せてくれる。いやでも目に入ってくるんです。なかでも野鳥は間近まで寄っても逃げない。一番好きなのはカワセミだけど、青サギの優美さ(と似合わない素頓狂な声)、川鵜の間抜けな羽の日干し、オシドリの仲の良さなどなども大好きです。見てて飽きないし、なにより美しい。自分が川の上にいるってだけで、鳥たちの仲間にでもなったような錯覚に陥るんですよ。肉眼でも充分だけど8倍程度のビノキュラ−があれば最高に楽しめます。
スイミング
夏のツーリングだとカヌーに乗ってるより淵で素潜りしてる時間の方が長かったりします。上流部だと水温が低すぎてそう長くは入ってられませんが、カナディアンカヌーに適した中流部ではちょうどいい冷たさ。深さ10メートル以上の淵ではかなり多くの魚に出会えます。もちろん岩からの飛び込みや、P.F.Dを着たままの瀬下りなんかやってると時間を忘れてしまいます。
ウッドクラフト&スケッチ
河原でウッドクラフト。これは本当にオススメ。誰もいない河原でゆっくりと楽しめます。電動工具なんかは持ち込めないから、ナイフや彫刻刀なんかで出来る簡単なカービングがいいですね。余計な邪魔も入らないし、きっと素晴しい作品ができるはず。
同じくスケッチなんかも楽しいですね。画材屋さんに行けば携帯用のスケッチセットが売ってるからそれを利用しましょう。道ばたでのスケッチと違って覗き込む人もいないし上手下手なんて関係なし!でも、なぜかいつもより上手に描けてしまうんですよね。環境がいいと無心になれるからかな?
読書
邪魔が入らないっていう点では読書もいいです。タ−プの下で川の中のガタバウトチェアに腰掛けて、足でちゃぷちゃぷさせながら本を読むっていうのは最高の環境!普段取っつきにくいなあって感じる外国文学でさえついつい引き込まれてしまいます。キャンプの夜にランタンやヘッドランプの明かりの下での読書も雰囲気ありますね。僕は読書用にヘッドランプに取り付けるスリガラス(アクリル板だけど)をいつも持参します。キャンプ
カヌーツーリングの楽しみは人それぞれ。僕の仲間達もみんな勝手にやってます(笑)僕の場合、カヌーは旅の道具。カヌーツーリングは自分のチカラだけで進むバックパッキングの一種だと考えています。狭い日本でバックパッキングをしようと思うと、常にキャンプサイトで悩んでしまいます。何故ならどんな山奥に行っても土地には所有者がいて気に入った場所で気軽にキャンプできる状況にないからです。かといってキャンプ場はどこもオートキャンプ場になってしまって電源まであったりする(笑)以前はトイレさえないキャンプ場がそこかしこにあったんだけど。オートキャンプの楽しみは否定しないし、僕もたまには行くんだけど、僕のこれまで続けてきたアウトドアとは多少ズレがあるんです。(だいたいオートキャンプ場でソロキャンプする気にはなれないもんね。)
国内で気軽にソロキャンプが出来る場所といえば河原か海岸だけど、できれば静かに朝を迎えたい。海岸だと朝目が覚めてテントのジッパーを開けた途端、目の前をビキニのおねーちゃんが通り過ぎたりしてキャンプどころじゃなくなってしまう。(即、ナンパモードに変わっちゃう。)そこで河原でキャンプなわけです。有り難いことに日本の川は短くて勾配が急だから、水位の上下が激しいってことで広い氾濫原、つまり河原を持ってる。別に四万十川や長良川じゃなくても近所にもそんな河原を持った素敵な川があるはずです。実際中学生の頃のキャンプサイトといえば川の上流部の砂防ダムの上ばかりだったし。(ここは少々危険だけど、上流部にしては広い河原があるし、人家が上になければ飲料水確保できるしね。子供は全部キスリング(リュックサック)で運ばないといけないから水は現地調達でした。)国立公園内や一部の私有地以外は自己責任で自由にキャンプできるから、僕はカヌー始める前から河原ばかりでした。
河原でキャンプするうち、対岸の河原が目につくようになる。川からしか入れないから自然のままの姿だし、薪だっていっぱい漂着してる。「あんな所でキャンプしたいなあ。」って思い始めて...。それならってことでカヌーを始めたわけです。だから今でもカヌーはキャンプの道具のひとつ。もちろんカナディアンカヌーのシングルブレ−ド・パドリングって奥が深いからパドリングそれ自体にも魅力を感じてるけど、キャンプ抜きのカヌーなんて僕には考えられません。そこで次は実際にカヌーで到着した河原でのキャンプのやり方についてお話ししたいと思います。
僕はまだやってないですけど釣りやスポーツカイトなんてのも楽しそうですね。
Chapter 7 カヌーツーリングキャンプ
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